ウコンとは?
名前を聞いたことはあるけれどもよく知らない方のために、ウコンとは何なのか、代表的な種類は何かについてご紹介します。
そもそもウコンとは?
ウコンには様々な種類がありますが、中でも代表的なのが「春ウコン(ワイルドターメリック)」と、「秋ウコン(ターメリック)」の2種類です。一般的には根茎の部分が利用されており、様々な栄養素を含んでいます。
春ウコンとは?
春に花を咲かせるのが特徴で、精油成分、ミネラルを豊富に含んでいます。
正式名称は「姜黄(キョウオウ)」です。辛みと苦みがあるため、料理などに使うのには向いていません。そのため、健康食品で多く使われています。
根茎の断面は鮮やかな黄色をしているのが特徴で、カリウムやカルシウムのほか、鉄、マグネシウム、リンなどのミネラル類、ターメロン、シネオール類などが豊富です。
秋ウコンと比較すると含まれている精油成分の種類は豊富で、ターメロンやシネオールなど、100種類以上も含まれています。精油成分とは、植物が糖分を作り、内部で変換されてできた成分のことであり、実に多くの作用を持っているのです。
例えば、ターメロンは神経細胞の再生に関係しているとされますし、シネオールは炎症を抑え、痛みを和らげる作用があります。ウコンに含まれている精油成分の中にはコレステロールを分解する働きをサポートしたり、がんの抑制効果が期待できたりするものもあるため、健康や美容に役立つ成分だといえるでしょう。
また、食物繊維が豊富に含まれているのも春ウコンの特徴です。食物繊維は便秘を改善したり、食後に血糖値が急上昇するのを抑えたりする働きを持っています。
秋ウコンとは?
秋に花を咲かせる種類のウコンで、正式名称は「鬱金(ウコン)」です。カレーのスパイスとしてお馴染みのターメリックは秋ウコンの英語名であり、香辛料としても活躍します。
なんといっても大きな特徴が「クルクミン」と呼ばれるポリフェノールの含有量の多さだといえるでしょう。その量は春ウコンの約10倍以上となっており、様々な健康効果を持っています。
クルクミンの代表的な働きとして知られているのが、肝臓の解毒機能を高める働きです。ウコンといえば、お酒を飲むときに取り入れると良いものとしてご存知の方も多いでしょう。これはクルクミンが肝臓の解毒機能を持っているためです。また、肝機能を向上させる働きもあります。
他にも胆汁の分泌促進作用があり、コレステロールを低減させるのにも効果的です。更には美肌効果や脳機能を活性化させる効果などもあり、非常に優秀な食材だといえるでしょう。
ただ、肝機能に異常がある方が取り入れると肝臓への負担になってしまうことがあるため、心配な方は医師に相談をしながら取り入れてみましょう。
春ウコンと秋ウコン、どうやって使い分ければいい?
春ウコンと秋ウコンには特徴・効用の違いもあります。それぞれの成分が何に効くのかを理解し、うまく使い分けてみてはいかがでしょうか。
肝機能強化、血圧低下、殺菌作用を狙うなら春ウコン
春ウコンには肝機能を強化したり、血圧を低下させたりするほか、殺菌作用があります。これは、精油成分の働きによるものです。
また、健胃作用や内臓全体を活性化させたいと考えている場合には、春ウコンにプラスして「ガジュツ」と呼ばれる紫ウコンを取り入れると良いでしょう。
紫ウコンはポリフェノールであるクルクミンは微量しか含まれていないものの、春ウコンと同じく多くの精油成分を含んでいる種類です。春ウコンとの相性も良いことから錠剤や粉末では春ウコンと紫ウコンをブレンドしたものもあります。
肝障害予防作用、コレステロール低下を狙うなら秋ウコン
秋ウコンは、他の種類のウコンに比べてポリフェノールのクルクミンが多量に含まれており、肝障害の予防作用や、コレステロールを抑える働きが期待できます。肝臓に対する働きは、二日酔いにも効果を発揮してくれるので、お酒が好きな方は秋ウコンを中心に取り入れてみてはいかがでしょうか。
もちろん、秋ウコンを取り入れればいくらお酒を飲んでも良いわけではありませんが、飲み会などが続くシーズンに活躍してくれます。
また、健康診断でコレステロール値が引っかかってしまった方なども取り入れてみましょう。運動や適度な食事制限などと組み合わせて取り入れてみてはいかがでしょうか。春ウコンに比べて苦味を感じにくいので、料理やお茶などでウコンを取り入れたいと考えている方におすすめです。
特徴の違いを理解して取り入れることが重要
ご紹介したように、春ウコンと秋ウコンは見た目がそっくりであるものの、含まれている精油成分や、特徴・効用が違います。一般的にウコンといえば秋ウコンを指すことが多いのですが、自分の場合は秋ウコンと春ウコンのどちらが向いているのか、よく確認したうえで取り入れてみてはいかがでしょうか。
複数組み合わせて取り入れる場合は、摂取目安量なども確認しながら取り入れてみてください。