妊娠中にウコンを摂取してもOK？
妊娠中は母親が食べたものが胎児に影響することもあり、普段より食生活に注意しなければなりません。
気をつけなければならない食べ物の一つがスパイス類です。健康に良いとして知られているウコンもスパイスの一種であり、妊娠中に過剰摂取するのはおすすめできません。
しかし、避けたいのはあくまで過剰摂取であり、適量の範囲内であればそれほど心配はないとされています。
妊娠中にスパイスを控えたほうが良いとされているのは、食べ過ぎた場合に子宮収縮を引き起こす可能性があるからです。ウコンはカレーのスパイスとして使われているターメリックなのですが、ターメリックにも子宮を収縮させる可能性があるといわれており、子宮が収縮した場合には早産や流産のリスクが高まるため、普段の食事の中でスパイス類は一切口にしないように注意している方もいるのではないでしょうか。
ただ、ウコン（ターメリック）が含まれるカレーを食べるのも危険なのかというとそうではなく、過剰摂取にならない量であればほとんど心配ないとされています。
赤ちゃんに直接何か悪影響をもたらす心配もないことから、特に産婦人科で注意されることもありません。
万が一のことを考えると、週に1回程度までにして、おかわりもなしと考えたほうが良いです。また、カレーは普通のご飯よりも大皿で食べてしまう方が多いので、量にも注意しましょう。
スパイスとしての影響だけでなくてカロリーや糖質過多になってしまう可能性もあり、妊娠中は体重のコントロールもしなければならないので頻繁にカレーを食べるのはおすすめできません。高血圧や高血糖で食事に注意するように言われている妊婦の方は、特に注意が必要です。
摂取について心配な方は医師に相談しましょう。スパイスとして多少取り入れる程度なら心配はいりませんが、サプリメントで摂取しようと考えている方は、同じく医師に相談したうえで検討したほうが安心です。
授乳中のターメリックの影響は？
妊娠中だけでなく、授乳中もターメリックは避けたほうが良いといわれることがあります。ただ、ターメリックが良くないというよりも、ターメリックが含まれている代表的な食べものであるカレーを推奨しないといったほうが正しいです。
カレーを作る際、市販のカレールウを使う方が多いですが、ルウには多くの油脂分が含まれており、乳腺炎のリスクが高まるとされています。しかし、そもそも油脂の摂取が乳腺炎に与える影響はまだ不明な部分が多く、一般的な食事で摂取する量であれば特に問題ないとも言われているのです。
ママがニオイのきつい物を食べると、それが母乳の味に影響してしまうともいわれていますが、ターメリックは影響が少ないといわれているので、心配いりません。
ただし、妊娠期や授乳期にウコンを取り入れることについて悪影響があるとも、安全性があるともいい切れない状況です。心配な方は医師に相談しながら取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
特に、カレーが好きで普段からたくさん食べている方や、健康維持のためにウコンのサプリメントを摂っている方などは摂取量に注意しておきましょう。
実は産後の回復に役立つ？！
ウコンなど、スパイス類は妊娠中・授乳中に注意したほうが良いと考える方が多いですが、国によっては産後の回復に役立つとのことで、積極的にターメリックを取り入れている国もあります。
例えば、アーユルヴェーダと呼ばれる伝統医療で知られるインドの産院では、デトックス効果や胃もたれ解消、消化力を高めるなどの働きがあるターメリック粥が出されるのです。
ターメリック粥とは、白米のほか、ターメリックパウダーや生姜などが入っているお粥であり、アーユルヴェーダの定番料理でもあります。
他にも、ターメリックオイルは会陰切開や帝王切開の回復を早めるとも言われていますし、ミャンマーではターメリックの香りを嗅ぐことにより、身体にたまった老廃物を排出する効果があるとされているのです。
日本ではどちらかというと、妊娠中・産後は避けられることが多いウコンではありますが、国によってこのような違いがあります。過剰摂取はもちろん良くありませんが、医師などとも相談をしながら取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。
妊娠中も適量なら問題なし
基本的に妊娠中だったとしても、過剰摂取さえしなければウコンを取り入れたとしても大きな心配はありません。ただ、ご紹介したようにターメリックが含まれているカレーは大皿で食べてしまう方も多く、食べすぎには注意したいところです。
妊娠中や授乳中にスパイスとしてではなく、サプリメントなどで取り入れようと考えている方は、担当医師に相談しながら検討したほうが安心です。
