ウコンが二日酔い対策に良い理由
ウコンといえば、お酒を飲んだ時に取り入れるべきものといったイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。テレビCMなどでも忘年会や新年会など飲み会が増える時期になると、ウコン関連商品のCMをよく目にするようになります。
これは、ウコンに含まれているポリフェノールであるクルクミンが、肝臓の働きをサポートする効果が期待できるからです。摂取したアルコールは肝臓で分解・吸収されるのですが、日常的に飲んでいる方やアルコールの摂取量が多い方は、肝臓がよりたくさん働かなければならず、肝臓に大きな負担をかけることになります。
肝臓の分解・吸収能力が弱まるとアルコールを分解する際に作られるアセトアルデヒドという成分が処理しきれなくなり、二日酔いに繋がってしまうのです。普段から二日酔いしやすい方はお酒の飲みすぎや、肝臓の働きが弱まっている可能性を疑ってみましょう。
ウコンの肝臓と胃腸をケアする機能とは?
肝機能を高めたいと考えている方から人気のウコンは、次のような働きによって肝臓や胃腸をケアしてくれます。
アルコールの分解を促進する
秋に花をつける秋ウコンや、春に花をつける春ウコンには、ポリフェノールであるクルクミンが豊富に含まれており、クルクミンには肝臓が胆汁を分泌するのを促進する働きがあります。
これにより、アルコールや、アルコールを分解する際にできる、アセトアルデヒドの分解を促進する効果が期待できるのです。
ただ、お酒を飲めば飲むほど多くのアセトアルデヒドが作られることになってしまうため、飲みすぎには十分注意しなければなりません。アルコールの分解を促進する働きには限界があるので、根本的にお酒を飲む量から見直さなければならない方も多いです。
肝臓を保護する
アルコールをたくさん飲む方は肝臓が荒れやすい状態にあります。ウコンに含まれているクルクミンには肝臓を保護する働きがあるため、取り入れてみてはいかがでしょうか。
クルクミンは腸で還元され、強力な抗酸化作用をもつクルクミンに変換されます。肝機能の状態をあらわすASTやALTの増加が抑えられるなどアルコールによる肝障害が抑制されます。
肝機能の改善
ウコンに含まれているクルクミンの働きにより、アルデヒドが抑えられるだけでなく、肝細胞の傷害までも抑えられるとの研究があります。ついお酒を飲みすぎてしまいがちな方は日常的に肝細胞の傷害が起こっている可能性が考えられるので、しっかり対策を取っていかなければなりません。
参考:(PDF)数理解析研究所講究録 第1863巻 2013年 29-37:肝臓におけるアルコール代謝の数理モデリング:肝障害の発生メカニズムとその予防策[PDF]
消化不良の改善
ガジュツとも呼ばれる紫ウコンにはクルクミンがほとんど含まれていないものの、精油成分の働きによって胃を整える効果が期待できます。消化不良に効果的として漢方薬などでも使われているものなので、胃腸の調子が崩れやすい方はぜひチェックしてみてください。
胃腸が整うことによって腸内のガスを排出する効果も期待できるので、いつもお腹が張っていて苦しいと感じている方も取り入れてみてはいかがでしょうか。
なお、取り入れる商品によってどの種類のウコンが使われているのかが変わってくるので、よく確認した上で購入を検討しましょう。
このように、実に様々な働きによって肝臓と胃腸をケアしてくれます。他にも生活習慣病の予防やアルツハイマー病・認知症の予防効果、抗がん作用なども期待されており、健康面を支えるのに活躍する成分です。
ウコンが効かない場合とは?
お酒を飲む際にウコンを取り入れたものの、全く効果を実感できないという方もいます。もともとウコンに含まれているクルクミンは体内に吸収されにくい特性を持っているため、「ウコンを取り入れたからいくら飲んでも二日酔いはしない」と考えて飲みすぎてしまうと悲惨な結果になってしまう可能性が高いです。
あくまで肝臓を助けたり、二日酔いを弱めたりする効果が期待できるものだと考えておきましょう。
また、確かに吸収率は高くないものの、だからといって効かないとは言い切れません。実際にクルクミンを取り入れたことによって体調や検査結果の数字に変化が出ている研究データも多くあります。
肝臓の働きを高めたい方や、二日酔いを予防したい方の中には、「とにかくウコンを大量に取り入れれば良いのでは?」と考えてしまう方もいますが、過剰摂取は副作用を招く恐れがあるのでおすすめできません。
過剰摂取による注意点
ウコン自体に鉄分が含まれているほか、サプリメントで鉄分を添加しているものも取り入れた場合、鉄分の過剰摂取に繋がってしまう恐れがあります。特に肝臓の悪い方が鉄分を取り過ぎると肝硬変や肝がんになるリスクもゼロではありません。
肝機能を高める目的でウコンを取り入れたはずが良くない結果に繋がってしまう可能性があるため、十分に注意しておきましょう。サプリメントで適量を取り入れる程度ならそれほど大きな心配はいりませんが、食事でも積極的に摂取したりすると過剰摂取になる恐れがあります。
肝臓に負担をかけない生活をすることが大切
いくらウコンのサプリメントを取り入れたとしても、毎日許容量を超えて飲みすぎているようだと効果は期待できません。お酒を飲んでいる方は量を減らしたり、休肝日を作ったりしながらできるだけ体に負担がかからないようにしていきましょう。
その中でうまくウコンも取り入れながら、肝臓や胃腸をケアするのに役立ててみてください。