40代の貯金平均はいくらぐらい?
40代はどれくらい貯金をしているのか気になる方のために、平均的な貯金額についてご紹介します。
単身世帯の場合
金融広報中央委員会が令和元年に行った家計の金融行動に関する世論調査によると、40代の単身世帯の場合、平均値が564万円、中央値が50万円となっています。
参考: 金融広報中央委員会「知るぽると」:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)
平均値とは、それぞれのデータを足し合わせ、個数で割った値のことです。
中央値とは、データを小さい順、または大きい順に並べた際、真ん中に来る値のことをいいます。
例えば、10人中9人の貯金額が10万円だったとしても、残りの1人が1,000万円の貯金をしていた場合、平均額は109万円となってしまい、実際の平均とは異なる結果が出るので、中央値についても参考にしてみてください。
平均値よりも中央値の方が極端に多い、少ないデータに左右されない金額だといえます。
二人以上世帯の場合
2人以上の世帯の場合、40代の平均値は694万円、中央値は365万円となっています。なお、これらの金額は預貯金の他、生命保険や投資信託、株式、債券といった金融商品をすべて含めたものです。
参考: 金融広報中央委員会「知るぽると」:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)
単身世帯に比べると中央値が非常に高く、総合的にみても貯金額の多い世帯が多いことがわかります。近年は専業主婦になるのではなく共働きをする女性も増えており、お互いが働いているからこそ貯金できる金額が多いのが理由だといえるでしょう。
また、子どもの将来のことを考えて計画的に貯金をしている家庭も多く、単身世帯に比べて金融資産保有額が大きくなっています。積立型保険で貯蓄を行っている世帯も多いです。
40代の平均給与と貯金の割合は?
貯蓄に回せる金額は、どれだけ給与を受け取っているのかによっても大きく変わります。厚生労働省が行った令和元年の賃金構造基本統計調査について確認してみると、以下の通りとなります。
40〜44歳 | 45~49歳 | |
---|---|---|
男女計 | 329,600円 | 350,300円 |
男性 | 360,100円 | 390,500円 |
女性 | 268,600円 | 271,600円 |
参考: 厚生労働省:令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況
この金額には、時間外手当や休日出勤手当は含まれていません。また、所得税などが控除される前の金額となっています。
40~49歳の男女計は339,950円ですが、手取り給与は額面給与のうち、75~85%程度とされているため、254,962円~288,957円が40代の平均的な手取りといえるでしょう。
貯蓄割合
家計の金融行動に関する世論調査では、年間手取り収入(臨時収入を含む)からの貯蓄割合も発表されています。単身世帯の40代の場合、以下の通りです。
- 5%未満…3.8%
- 5~10%未満…17.6%
- 10~15%未満…15.6%
- 15~20%未満…4.2%
- 20~25%未満…10.7%
- 25~30%未満…3.4%
- 30~35%未満…4.6%
- 35%以上…10.3%
- 貯蓄しなかった…29.8%
二人以上の世帯の場合は以下の通りです。
- 5%未満…9.0%
- 5~10%未満…20.4%
- 10~15%未満…23.8%
- 15~20%未満…5.4%
- 20~25%未満…6.0%
- 25~30%未満…1.6%
- 30~35%未満…2.4%
- 35%以上…2.4%
- 貯蓄しなかった…18.2%
二人以上の世帯に比べ、単身世帯は貯蓄しなかったと答えている人が多いのがわかります。一方、収入のうち35%以上貯蓄にまわせている人については、二人以上の世帯だと2.4%なのに対し、単身世帯だと10.3%と大きな差があります。
貯蓄しなかったケースを除くと単身世帯で最も多かったのが、5~10%未満、二人以上の世帯は10~15%未満との結果です。先程ご紹介した手取り給与の平均額から考えると、単身世帯は13,000円~27,000円ほど、二人以上の世帯は27,000円~40,000円ほど貯金していることになります。
参考: 金融広報中央委員会「知るぽると」:家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)
参考: 金融広報中央委員会「知るぽると」:家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)
40代で貯金はどれくらい必要?教育費や老後資金
40代の支出について考えてみると、生活費を除くと大部分を占めるのが老後資金の貯蓄、子どもがいる場合は教育費です。
老後資金
定年65歳と考えた場合の老後の生活費については、夫婦二人世帯なら月平均で270,929円、単身世帯なら151,800円程度かかるとされています。
また、社会保障給付、その他を実収入とした場合、無職単身世帯は月平均で27,090円、夫婦二人世帯で33,269円不足するとの報告があるので、これらをまかなえる金額を貯蓄しておかなければなりません。
参考:(PDF)家計調査年報(家計収支編)2019年(令和元年)II 総世帯及び単身世帯の家計収支:Ⅱ 総世帯及び単身世帯の家計収支[PDF]
単身でゆとりのある老後生活を送ろうと考えた場合には、月25万円ほど生活費が必要とされています。仮に収入として年金が月10万円、老後生活を15年と考えた場合、不足額は2,700万円ほどです。
退職金でいくらかまかなえる方もいますが、そうでない場合や二人以上の世帯の場合は、このあたりも考慮しながら老後資金計画を立てていきましょう。
教育費
平成30年度に文部科学省が行った私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査によると、3歳から幼稚園に通い始め、高校までをそれぞれ公立学校で過ごした場合の費用総額は以下の通りと発表されていました。
- 幼稚園…649,088円
- 小学校…1,926,809円
- 中学校…1,462,113円
- 高等学校…1,372,072円
合計すると5,410,000円です。
参考:(PDF)文部科学省:平成30年度子供の学習費調査の結果について[PDF]
更に大学に4年間通った場合の費用相場としては次のような金額がかかります。
- 国立大学…2,425,200円
- 文科系学部…3,977,697円
- 理科系学部…5,416,924円
- 医歯系学部…16,070,328円
参考: 京都大学:○国立大学等の授業料その他の費用に関する省令
参考:(PDF)平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果について[PDF]
私立に通った場合は更に費用がかかるので、どのような形で教育を受けさせたいかについても検討しておく必要があります。
早めに確認をし、計画を立てておくと安心
40代の貯蓄や、給与などについてご紹介しました。老後資金についてはできるだけ早くから考えておくのが理想的です。
40代ではある程度を貯蓄がある状況が理想的ではありますが、今回ご紹介した金額に届いていなかった方も、計画を立てながら貯蓄について考えてみてはいかがでしょうか。