ウコンが胃腸に良いと言われる理由
ウコンは昔から胃腸に良いとされており、胃腸管系の病気の際に使用されてきました。これは、ウコンに含まれているクルクミンや、精油成分の働きによるものです。期待できる効果についてご紹介しましょう。
クルクミン
クルクミンとは、ウコンに含まれているポリフェノールの一種で、秋ウコン、春ウコン、ガジュツ(紫ウコン)などの種類があるウコンのうち、特に秋ウコンに多く含まれています。その量は春ウコンの3倍以上となっており、胃腸への働きの他、様々な美容効果・健康効果も期待できるのが特徴です。
また、クルクミンにはピロリ菌という細菌の繁殖を防ぐ働きがあります。胃のトラブルとして胃炎や胃・十二指腸潰瘍などが挙げられますが、これらの原因はピロリ菌です。そのため、これらの胃腸のトラブルを防止するのにもクルクミンが役立つと考えられています。
精油成分
ウコンに含まれている精油成分も、胃腸やお腹の状態を整えるのに役立ちます。精油成分とは、植物が糖分を作る際に変換されてできる成分のことで、種類ごとに異なる働きを持つのが特徴です。
ウコンの中では特に春ウコン、紫ウコンに多くの精油成分が含まれています。中でも紫ウコンは腸の状態を整えるのに高い効果を持つとされており、漢方薬でも使われるほどです。
精油成分のうち、特に「アズレン」や「カンファー」が胃腸の状態改善に役立ちます。アズレンには胃液が過剰に働いてしまうのを抑える働きがありますし、カンファーには胃の働きを促進する健胃作用があるので、胃の状態を総合的に整えるのに効果的です。
お腹に良いウコンの種類
胃腸など、お腹に良いウコンの種類として、精油成分に注目してみましょう。精油成分が豊富に含まれているのは、春ウコンと紫ウコンの2種類です。
それぞれの特徴についてご紹介します。
春ウコン
春ウコンは、豊富な精油成分が特徴で、4月から5月の春にピンク色の花を咲かせるウコンのことをいいます。正式名称は「姜黄(キョウオウ)」で、別名ワイルドターメリックとも呼ばれるものです。健康食品などに使われていることが多い種類でもあるので、気づかないうちに取り入れたことがある方もいるのではないでしょうか。
精油成分のほか、ミネラルを豊富に含んでいるのですが、口に入れると強い苦味と辛さを感じるため、生や粉末状で口にするのには向いていません。錠剤タイプのサプリメントなどで取り入れると良いでしょう。
秋ウコンに比べるとポリテノールであるクルクミンの含有量は少ないのですが、精油成分は100種類以上も含まれています。医薬品の原料としては認められていないものの、沖縄では民間療法としても使われてきた歴史があるウコンです。
精油成分としては、α、βクルクメンやセスキテルペンアルコール、先述したカンファーなど含んでいます。セスキテルペンアルコールには、強壮作用があります。強壮作用とは体が元気な状態のことをいうので、胃腸やお腹の調子が悪くて元気がない時や、気力を高めたい時に向いている精油成分だといえるでしょう。
また、精油成分と同じくらい含まれているのがミネラル成分で、鉄やカルシウム、マグネシウムなどが含まれています。
それから、排便をサポートする食物繊維も含まれているので、便秘気味でお腹の調子が悪い方も取り入れてみてはいかがでしょうか。食物繊維は食後に血糖値が急上昇するのを抑える働きも持っています。
紫ウコン
紫ウコンは「莪朮(ガジュツ)」という和名でも知られている種類で、4月から6月にかけて紫色の花を咲かせるのが特徴です。他のウコンに比べて希少価値の高い品種であり、珍しい精油成分を多数含んでいます。
独特のニオイと味が特徴的なので、春ウコンと同じく、錠剤タイプのサプリメントで摂取することを検討したほうが良いでしょう。ポリフェノールであるクルクミンの含有量はごく微量ではありますが、リンや鉄、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラル類のほか、ビタミンCやビタミンBも豊富に含んでいます。
紫ウコンは、昔から漢方薬として主に胃腸系の病気に使用されている種類で、医薬品の規格基準書である日本薬局方に収載されているほどです。健胃作用のほか、胆汁分泌促進作用、抗菌作用などを持っています。
ウコンは様々な場面で活躍する
ウコンと胃腸の関係についてご紹介しました。何となくいつも胃の調子が悪い方や、お腹の調子を崩してしまいがちな方にとっていろいろうれしい働きがあります。
秋ウコン、春ウコン、紫ウコンはそれぞれ特徴が異なるので、働きを理解し、自分に合ったもの取り入れてみてはいかがでしょうか。
胃腸やお腹のトラブル改善に役立てたいのなら、春ウコン、紫ウコンがおすすめです。秋ウコンもクルクミンの働きによって、胃腸の状態改善のほか様々な健康効果が期待できる種類なので、ぜひチェックしてみてください。