40代のプレ更年期はどういう時期?
更年期の症状がどれくらいから現れるかは人それぞれですが、月経が1年以上こない閉経の前後5年間が更年期と定義されています。一般的に40代半ばからは50代半ばが更年期にあたる時期です。
これに対し、少しずつ閉経に向けて心身の状態が変化していく30代後半~40代半ばの時期を「プレ更年期」と呼びます。
「自分はまだ更年期に入る年ではないのに、何となく体調や気持ちが優れない」と感じている方は、このプレ更年期の可能性があるのです。
そもそも更年期とは何かというと、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減少する時期のことをいいます。急激にホルモンバランスが乱れる形になるため、その変化に体がついていくことができなくなった場合に、様々な不調を感じてしまうのが「更年期障害」です。
エストロゲンの分泌量が低下するのには、ホルモンの働きをコントロールしている下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンに卵巣が反応しにくくなることが関係しています。加齢によって徐々に卵巣の機能が低下していくためで、卵巣の中に存在する発達前の細胞である原始卵胞の数は、思春期頃には約30万個あるのに対し、40代になると約5万個まで減少してしまうのです。40歳過ぎから著しく減少するため、プレ更年期に備えましょう。
参考:(PDF)国際抗老化再生医療学会雑誌 第2巻(11−18)2019:エストロゲンの機能とストレス~生涯を通じて健康を維持するために~[PDF]
更年期のはじまりのサインを見逃さないために
更年期の始まりにいち早く気づくためには、どのような変化があるのかを理解しておくことが大切です。
大きなサインの一つとして挙げられるのが、月経の変化と体調の変化です。月経の周期が徐々に短くなり、これまでよりも乱れやすくなります。生理周期を記録している方は、「いつもは30日周期だったのが25日周期になった」などの変化に気づきやすくなるので、普段から記録しておきましょう。また、経血の量が変化したり、中にレバー状の血の塊が混ざったりすることが増えます。
肌の変化を実感する方も増え、特に月経前に吹き出物が出やすくなるのも特徴です。他にも、疲れやすくなる、冷え性の症状を感じる、夜ぐっすり眠れないなどもサインとして挙げられるので、これらを見逃さないようにしましょう。
何となく体調が優れない日が続き、プレ更年期のセルフチェックをしてみたところあてはまる物が多かったという方も多いです。早ければ30代後半から変化が現れるようになるので、自分の体調をよく確認する癖をつけましょう。
体調が優れない原因が何かわからないと、対策を取ることができませんが、プレ更年期であることに気づければ、体の変化とうまく付き合っていくための対策をとることができます。
今から知っておきたい更年期との付き合い方
更年期は閉経によるホルモンバランスの変化によって起こるものなので、防ぐ事はできません。中にはほぼ症状が出ない方もいますが、一日中寝込んでしまうような方もいるため、どのように付き合っていけば良いのかについて理解しておきましょう。
以下のようなポイントがあります。
リラックスして過ごす
普段からストレスを溜め込んでいて、緊張しがちな方はそうでない方に比べて体調を崩しやすくなります。できるだけリラックスして過ごし、身体を緊張させないようにしましょう。
40代が近くなり更年期の症状が現れると気持ちが落ち込んでしまいますが、敏感に反応し過ぎると疲れてしまうので、体調が優れない時は横になって休むなど心を落ち着けるようにしてみてください。
生活習慣を改善する
生活習慣が乱れているとストレスを溜め込みやすくなり、その分状態が悪化しやすいです。普段の生活習慣が乱れていると感じている方は、それを整えることから始めてみましょう。十分な睡眠時間をとる、食事からたくさん栄養素を摂取できるようにする、少しだけ運動の時間を増やしてみるなど、簡単なことから始めてみるのがおすすめです。
我慢はしない
体調が優れない時に無理をしてしまう女性は非常に多いです。ホルモンバランスの変化により月経痛などがひどくなってしまうこともありますが、無理をすることなく痛み止めの薬を飲んで休みましょう。
産婦人科に相談する
「何となく気持ちが落ち着かず、イライラする、もしかしたら更年期かも」と思ってもなかなか人に相談できない方がいます。自分ひとりでどのように対策をとれば良いのかわからない場合は、遠慮することなく産婦人科で相談してみてください。漢方やホルモン剤を用いた治療があるので、状態の改善が見込めます。
40代が近付いたら少しずつ準備を
40代頃に悩む方が増えるプレ更年期は、突然体調が変化するわけではなく、徐々に変化していきます。大切なのは、少しずつ変わっていく自分の体調や精神状態を理解することです。
イライラしやすくなったり、気持ちが落ち込みやすくなったりして自分を責めてしまう方もいますが、ホルモンバランスの変化によるものなのであまり深く考えないようにしましょう。様々な対策があるので、今回ご紹介した更年期との付き合い方なども参考にしてみてください。