ウコンにアレルギーはある?ない?

ウコンによるアレルギー症状とは?

ウコンは様々な健康効果が期待できる食材ではありますが、ごくまれにアレルギー症状を感じる方もいます。特に、高濃度のウコンを長期的に摂取した場合にはそのリスクが高くなるので、注意しておかなければなりません。

ウコンの中でも代表的な種類といえば、春ウコンと秋ウコンです。
春ウコンは秋ウコンよりも苦味が強く、α-クルクメンやβ-クルクメン、セスキテルペンアルコール、カンファーなどが豊富に含まれています。
秋ウコンはターメリックとも呼ばれるもので、クルクミンと精油成分の含有量が多いのが特徴です。

アレルギー体質の方は、どちらのウコンをとり入れるにしても慎重に検討しなければなりません。
アレルギーの症状が現れた場合、どのような症状があるのかは人それぞれではありますが、代表的なのは倦怠感や顔のむくみ、咳、嘔吐、下痢、鼻汁などとなっています。

また、アレルギーだけでなく、継続して摂取した場合の副作用として身体の不調が現れる方もいるので、一度摂取した際になんでもなかったからといって、適量を超えてとり入れないように注意しましょう。

ウコンの摂取によるアレルギーの事例

実際にウコンを摂取したことによって、アレルギー症状が現れた例があるのでご紹介します。

健康食品として販売されていた春ウコンの粉末を服用した64歳女性の例です。摂取した直後からアナフィラキシー症状が現れました。検査の結果、秋ウコンのターメリックは陰性でしたが、春ウコンに陽性の反応が確認されたのです。
一般的にウコンのアレルギーといえば、接触皮膚炎や多発性固定薬疹といったものが多く報告されていたのですが、こちらの例ではアナフィラキシーを起こした世界初の例として報告されています。

これまでにもウコンの摂取が原因とみられる症例は数々報告されていますが、その大部分が秋ウコンの主成分であるクルクミンによるものでした。しかし、この事例ではクルクミンではないものの抗原が原因抗原として考えられています。

参考:医学専門ジャーナル・書籍の電子配信サービス:春ウコンの経口摂取により発症したアナフィラキシーの1例

副作用にも注意が必要

アレルギーとは異なりますが、副作用の報告もあるのでご紹介しましょう。
毎日スプーン一杯の粉末ウコンを取り入れていた女性が、二週間ほどしたところで症状が悪化し、入院した例があります。この女性は腹水が溜まってしまい、その約3ヶ月後に死亡しているのです。

参考:全日本民主医療機関連合会:くすりの話 ウコン

また、肉体疲労の回復を目的にウコンの内服を行っていた58歳の女性は、1ヶ月ほど経ったあたりで全身倦怠感と発熱、頭痛を感じ、病院を受診しました。その結果血液検査で肝機能障害が指摘されて内服を中止することに。治療を続け、半年ほどすると症状も改善しています。

参考:日本医師会:ウコンについて

いずれの場合も、継続して高濃度のウコンをとり入れていたことが関係していると考えられるので、注意が必要です。

こんな方はウコンの摂取に注意

健康に良い食材として知られているウコンではありますが、とり入れるのがおすすめできない方もいます。以下の方は十分に注意が必要です。

肝機能に問題がある人

ウコンは肝臓に良いとして知られているため、肝機能に問題がある人こそとり入れたほうが良いイメージがありますが、肝機能が良くない方は摂取を控えましょう。実際にウコンをとり入れたことによる肝障害が数多く報告されているのです。

なぜ肝機能に異常がある方がウコンをとり入れると良くないのかというと、大きな原因はウコンに含まれている鉄分にあります。ウコンにはもともと鉄分が含まれているのですが、ウコンのサプリメントにはさらに鉄分が添加されているケースが多いです。しかし、肝臓の悪い方は鉄分を排出する力が弱く、体内に蓄積してしまうことがあり、それが肝臓に悪影響を与えてしまいます。

もちろん、肝機能に問題がなければどれだけとり入れても良いわけではありません。例えば、ウコンに含まれているクルクミンについては、国際機関JECFAが毎日摂取しても健康に問題のない量として体重1kg当たり3mgを設定しています。

これを超えて摂取を続けると副作用の可能性が高くなるため、十分に注意しておかなければなりません。

妊娠中の方

妊娠中はそうでない時と比べて気をつけなければならない食材がいろいろありますが、ウコンもその一つです。ウコン自体が妊娠または授乳に悪影響をもたらすと報告されているわけではないのですが、スパイスの中には子宮収縮作用が報告されているものもあり、ウコンもその可能性があります。

例えば、カレーでターメリック(秋ウコン)をとり入れたり、ちょっとした調味料として使ったりする分には特に気にする必要はないのですが、過剰摂取した場合には心配な部分もあるため、摂取量に注意することが大切です。
また、万が一のことを考え、ウコンのサプリメントを妊娠中にとり入れるのは避けておいたほうが良いでしょう。

適量を取り入れればそれほど心配はない

ウコンのアレルギーや副作用などについてご紹介しました。ウコンが原因と思われるアレルギー症状が発生した場合は、使用を中止し、医師に相談したほうが安心です。

ウコンを摂取したことによる肝機能の悪化なども報告されていますが、多くのケースが過剰摂取や長期にわたって摂取した場合の報告となっているため、一時的にサプリメントで適量取り入れたり、香辛料として料理に少量使ったりする程度では大きな心配はありません。
とり過ぎた場合に悪影響があるのは他の食品も同じではありますが、肝機能が低下している方は鉄分の過剰摂取につながってしまう恐れもあるので、注意しておきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です